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- 2020.04.24 Friday
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Tk氏主導による「株式公開」という掛け声の元、新しい技術を導入しそれを実用化するための技術者数人も人材紹介会社を通じてヘッドハンティングしました。資本も従業員や頼母子からの新規出資があり増強されました。株式公開に向けて、銀行、証券会社も融資してくれました。
目の前の売り上げの数字は伸びないものの、従業員的には、それは過渡的なものであり、株式公開に向けて順調に進んでいるのかな?という印象を持っていました。
ところが、内情はそうでもなかったようで…
急に、従業員の目に見える形で苦境が現れてきました。
当時、バブル後の不況の中で、中小企業に対して「休業補償制度」というものがあった。仕事が減った中小企業が、従業員を解雇せず休業させると、その給料分が国から(雇用保険から?)給付されるという制度だ。雇用を維持して、日本経済の更なる悪化を食い止めようという施策でした。
S技研では、あるとき、「タイムカードを押さないように」との通達が会社からあった。要するに、仕事は今まで通りしながら、「書類上」休業したことにして、給料を国から支給してもらおうということ…。要するに「詐欺」ですね。
新規にヘッドハンティングした技術者に対しては、即「解雇」が申し渡されました。紹介してくれた人材紹介会社には、いろいろと難癖をつけて、規定の「紹介料」を踏み倒し。
「休業補償制度」にも、適用される期間に制限がありますから、制限いっぱいまで利用して、その上で、従業員のリストラにかかりました。多くの従業員が解雇されました。「従業員の雇用を守るため」という趣旨が全然正反対に利用されたリストラでした。
「株式公開」を主導したTk氏は宗教がらみでS技研に入社した人物でした。
http://boyakigoto.jugem.jp/?eid=13
Tk氏が取った次の一手には、さすがの僕もあきれてしまいました。
某新興宗教がらみで、Tk氏がスカウトされ、S技研の経理部長に納まった。
http://boyakigoto.jugem.jp/?eid=13
話を聞くと、東京の方でちょっとしたキャリアがあるらしい。それまで、取引銀行といえば「朝銀」「興銀」「信金」だったが、「都市銀行」とも取引が始まり、若手の生きのいい担当者がS技研に出入りするようになった。
どこでどう話が進んだのか、Tk氏の人脈が貢献しているのか、ある日「株式公開を目指す」というお触れが出た。全社員を集めて、証券会社の担当者から社内説明会があった。社員持ち株会の話が出され、株式が公開された場合の実例などが紹介された。うまくいけば「儲かる」おいしい話ではあった。
社員には出資が呼びかけられた。社員30人程度の会社が株式公開?と半信半疑ながら、新株発行に応募するものもちらほらいた。「宝くじを買うよりはいいだろう」と僕も100万円ほど出資に応じることにした。でも、出資に応じた社員は、僕の予想ほど多くはなかった。新入社員である僕を除けば、基本的に、社員は会社をあまり信用していなかったのかな、と今になって思う。
在日韓国人、在日朝鮮人仲間には頼母子講(?)を通じた出資呼びかけもおこなわれた。
http://boyakigoto.jugem.jp/?eid=16
それらを掻き集めて、新しい資本金は1千?百?十?万?千円と、思いっきり半端な金額になった。その方面のことはよくわからないが、こんな資本金の額で株式公開というのはありうるのか?いや、ベンチャーなら、出資したい投資家が現れて、何十倍の資本が調達されるのかな?と不思議な感覚だった。
新株が発行され資本金も充実し(?)、S技研は株式公開目指して新しい歩みを始めた。手始めに、それまで経営者一族だけだった株主が、一般従業員や、外部の人間にも広がったことで、株主の従業員を集めて株主総会のリハーサルが行われた。本番の株主総会も無難に乗り切った。